国語 – 読解のコツ –
本記事では、十分な語彙をもっているという前提の基、読解問題を解くコツを紹介する。
本当であればこのような小手先のテクニックを用いず、筆者の思考を興味深く楽しむような読書体験を積み上げていってほしいのだが、受験勉強ともなればどれだけ得点を取れるかの勝負である。
国語の試験で得点が安定しない、というレベル帯の学生に効くであろうテクニックのため、もし伸び悩んでいるようであれば参考にして欲しい。
読解時に注目すべきポイント
国語の読解問題を解く際、まず意識しなければならないのは「問題文で何を問われているか」である。
そのため、問題文で問われている範囲内で筆者の主張を汲み取る、というようなイメージで読み進めて探していく必要がある。
その上で、問題を解く上での注目すべきポイントをいくつか取り上げる。
問題文
まず第一に注目しなければならないのが問題文だ。
理由は簡単で、何を問われているのかを正確に理解しなければ、解答を導くことが出来ないからだ。これは何も国語に限った話ではなく、全科目に共通している。
一般的な方法であれば
本文を読む→問題文で問われている内容を把握する→本文から該当の箇所を確認→解答
という流れが真っ当ではある。本文を読み、どのような主旨かを把握した上で問題文を読めば、問われている内容が格段に把握し易くなるからだ。
しかし、試験という限られた時間内で正答を導くためには、読む回数や時間をできるだけ減らしたいのも事実だ。
そのため、試験問題を解くテクニックとして、最初に問題文を読んでおくことをおすすめしたい。これはメジャーなテクニックではあるが、効果は高い。
問題作成者は、必ず本文を根拠にした解答を導けるように問題文を作っている。
そのため、問題の解答は必ず本文から導くことができる。
すると、どのような問題でも「問われている内容」という範囲で絞り込みながら本文を読むことができる、というわけだ。
高速で本を消化しなければいけないエリートビジネスマンが、本を読む前に目次で内容をある程度予見し、予め主旨を抑えながら読書していくイメージに通じるものがあるかもしれない。
それだけ、何を読み取ろうかを決めてから文章を読む、というのは効果が高いのだ。
単純であるが効果的なので、やったことのない人は是非試してみて欲しい。
「問題文を読んでから」と言われると、全ての問を読んでからのほうがいいのか、一問だけ読んで本文を読めば良いのか、疑問に思う人もいるかもしれない。
ただその辺は、「試験の形式や問題数による」としか言えない。
問題数が少なければざっと全てを確認してから本文に移ればよいし、問題文が多ければパラグラフ単位で確認したり、1問ずつ対象箇所を確認したほうが良い場合もある。
試験ごとにどういったバランスで読み方を変えるのかは、演習時に色々と試してみて欲しい。
接続詞
続いて紹介したいのは、接続詞である。
なぜ注目すべきかというと、接続詞は前後で主旨が大きく変わる合図として、非常にわかりやすいからだ。
中でも、取り上げたいのが「説明/補足」と「逆接」の2つだ。
前者は「つまり」「要するに」といったもので、前の言葉の説明や補足が後に続く。
主旨にわざわざ補足を加える表現であるため、これらの接続詞の直後は筆者が伝えたい内容になっていることが大半だ。
例「国語の点数が安定しない学生は多い。つまり、国語で安定した点をとることが出来れば他の受験生と差別化することができる。」
後者は「しかし」「だが」といった、前後で主旨が変わる形だ。
逆接の場合、書いてきた内容をわざわざ接続詞で否定することになる。そのため、接続詞の後にきた内容が重要である場合が大半だ。
例「国語の勉強は軽視されがちだ。しかし、国語は共通一次や難関大学で課される科目だ。」
こういった接続詞を意識するとしないとでは、主張の捉え方が大きく変わってくる。
接続詞に注意すれば、わたしが例にあげた文章で主張したいことが、ハッキリとわかったのではないだろうか。
これができるようになると、文章内で筆者が伝えたいことの軽重を把握しやすくなる。
「説明/補足」と「逆接」に関しては、文中に出てきたら印を付けておくと、視覚的にも主張の在り処がわかりやすくなるので、併せてオススメしておきたい。
接続詞の種類は意外と多いが、日本語が理解できていれば理解に困るようなものでもない。
わざわざ学習せずとも良いかもしれないが、強いて言うなら、理解がずれているものがないかだけをざっと確認しておけると良いかもしれない。
パラグラフ
パラグラフ、つまり段落に関しては前述の2つに比べて補足のような立ち位置ではあるが、筆者の主張を捉えるには有用である。
英語ほどかっちりとしているわけではないが、日本語も1つのパラグラフに1つの主張という形が基本になっている。
そのため、文章を読みくだす際には、パラグラフ内での主張がどのように遷移していくのかを正確に把握しなければならない。
主張の捉え方は接続詞に注目すると良いのだが、その主張の変化はパラグラフ内で完結している。そのため、次のパラグラフでは主張が変わっていることは大いに有り得る。
パラグラフ内での主張はどうなっているのか、という意識だけは持っておくようにしよう。
簡単ではあるが、読解時に有用な注目ポイントを紹介してきた。
単純ではあるが即効性があるため、共通一次くらいの難易度であればこれだけで得点が数十点単位で変わってきてもおかしくないテクニックだと個人的には思っている。
筆者の主張として「あっているか」「間違っているか」「言っているか(書いてあるか)」「言っていないか(書いていないか)」くらいがわかるようになれば、相当クリアに主張を見抜けるようになるはずだ。
編集後記
わたしが受験生だったころ、共通一次はセンター試験とよばれていた。
受験勉強初期から国語、特に現国が得意な方ではあったが、この記事の内容を理解し、テクニックとして活用し始めてからは得点が相当安定したように思える。
7割前後を行き来していた点数が、8割を切ることがなくなり、9割近くがアベレージになるような大きな変化だった。
別に大した大学を出ているわけでもないが、真っ先に思い浮かぶ受験勉強時のブレイクスルーがここだったように思う。
こういった大きな意識改革?自信がつく事柄?をどれだけ積み重ねていけるかが受験には大切なように考えている。
もしそういった瞬間に立ち会えたときは、それを大切にして欲しい。
そしてできれば、こちらのサイトのコメントなどで教えてもらえると、記事にできるのにな、と思ったりしている。