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2022/1/17 2022/07/11

2022年共通テスト総評 国語

2022年共通テスト総評 国語

この記事では2022年共通テスト国語のレビューをしていく。
なお、専門とも言える英語ほど説得力のあることは書けないため、所感は現代文の部分だけにとどめたい。

問題と解答の速報もすでに出ているので、参照していない人はそちらを確認して欲しい。
https://www.asahi.com/edu/center-exam/shiken2022/day1.html

総評

まずはじめに、本番と全く同じ条件で解いてみたわたしの点数を載せておこう。

大問1(評論文) 31点/50点
大問2(小説文) 50点/50点
大問3(古文)  28点/50点
大問4(漢文)  35点/50点
合計      144点/200点

あまり高くはないが、概ね自分の現役時代と同じ点数となった。
個人的にではあるが、難易度はやや易しい~並み程度かなと感じた。

英語のほうでも感じたことではあるが、国語もいよいよセンター試験の脱却が鮮明となり、古文ではグループ・ディスカッションがあったり、小説では発表メモがあったりと、新たな問題も見受けられた。
人によってはセンター形式のほうが好きだった人もいるかも知れないが(かくいうわたしは昔のほうが好きだ)、グループ・ディスカッションの会話内容から正解を類推することができそうなところなどを考えると、やりやすさは改善したかもしれない。

ご存知の通り、共通テストの国語はとにかく消去法が有効だ。
選択肢の中で、1つでも誤った記載があればその時点で消してしまって良い。残りの部分がいくら正しくても、誤った部分が少しでもあれば確実に不正解だ。全文にわたって突っ込みどころがない選択肢が答えとなる。

それでは、簡単に各問題をみていこう。

大問1 評論文(難易度:並)

「食べる」こととはどういうことなのかを、2つの異なる文章(視点)からみていくという問題。無意識ながら食物連鎖の一部に組み入れられていることへのよだかの葛藤と豚肉が消化されていく過程をユーモアに表現した文章I、「食べる」とは地球規模の循環プロセスの一部であると捉えた文章IIで展開される。

(1)~(3)漢字の問題は落とさないようにしたい。それほど難しくはなかっただろう。

(4)「襲い」は攻撃的な意味であり、攻撃性のない意味合いの選択肢は2しかない。
(5)「与える」はものをあげるという意味であり、物の授受を意味しない選択肢は3しかない。
(6)私自身間違えたので解説は自重する
(7)2がスッキリした答えなので直接選ぶこともできるが、消去法でも解ける。
1:文章全体が間違い。
3:全体的におかしいが、「事故を変えようとする」が明らかに変。
4:「理不尽な扱い」が間違い。
5:文章全体が間違い。

(8)こちらも素直に2が選べるだろう。
1:文章全体がおかしい。
3:文章全体がおかしい。後半部分の「重要性を捉えている」が明らかに間違い。
4:前半部分がすでに間違い。
5:前半部分がすでに間違い。

(9)素直に4が選べるだろう。
1:「食べられる生きものの側の心情を印象的に」が間違い。
2:「消化器官の働きを厳密に描いている」が間違い。
3:「擬態語を用いて」が間違い。
5:「誇張して表現する」が間違い。

(10)(11)
私自身間違えたので解説は自重する
すみません。

大問2 小説文(難易度:やや易)

定年退職して家で過ごす時間が増えたおじさんが、隣の家から見える男のポスターがやけに気になってしまう、というお話。持ち主の少年に撤去を依頼しようとするが断られ、夜中に様子を見に行くと、これまで何を自分は気にしていたんだろうと気が和らいだ。それと同時に、全力でこちらに男の人をみせにきている少年に少し関心している。
簡単に要約したが、意味がわからないと思う人もいるかも知れない。
しかし、わたしの歳になるとこういう、おじさんの心情変化みたいな文章に共感しやすく、すっと頭に入りやすい。そういう意味では、幾分有利に問題に望めたかもしれない。

(12)(13)
なぜおじさんは無意識に少年の方に近づいたのかを考えれば、素直に答えが出るだろう。
1:「恐ろしく思っていたこと」が間違い。
3:「余裕が生まれたこと」が間違い。
4:「男がいつもの場所に立っているのを~」が間違い。
5:「いぶかしく感じていたこと」が間違い。

(14)1を残しつつ、他の2~5で間違いがあるかをみていこう
2:「妻にも言えない」が間違い。
3:「常識だと信じていたこと~」が間違い。
4:「看板について~」が間違い。紛らわしいが、この部分においては、問題となっているポスターの男の取り扱いに関して怒っているわけではない。
5:「一方的干渉を~」が間違い。

(15)「認めてやりたいような気分」がポイント。
「認めてやりたい」わけだから、ネガティブな表現のある選択肢は自動的に間違いとなる。
1:内容はポジティブだが「共感を覚えたことで」が間違い。
2:「陰ながら応援したい~」が間違い。
4:内容がネガティブな上に、少年の気持ちに対する記述がない。
5:「彼の気持ちを無視して~」が変。

(16)「裏の家の息子」から「餓鬼」に表現が変わったわけだから、ニュートラルからネガティブな感情に変わったことをしっかりと踏まえれば正解が選べるだろう。
1:全体的におかしいが、「親しみを抱いている」が間違い。
3:「少年の外見や言動~」が間違い。
4:「我が身の老いを~」が間違い。
5:ニュートラルからネガティブな感情の変化がない。

(17)この文章に関して整理したノートを基にした問題
センター試験時代にはなかった、共通テスト独特な出題である。
素直に1が選べると思うが、消去法もみていきたい。
2:「少年が憧れているらしい~」が間違い。
3:「単なるものとして軽視」、「態度を都合よく~」が間違い。
4:全体的に変だが、「少年の前ではとっさに~」あたりが特におかしい。

(18)家から見ていたときの「男」:怖い、近くで見た「男」:怖くない。
この基本構造がつかめれば簡単な問題だろう。
この形になっている選択肢は1だけ。

(19)前問同様、家から見てたときの「男」:怖い、近くで見た「男」:怖くないという基本構造がつかめれば解ける。3の「自信を持つことができた」と5の「自分に滑稽さを感じる」を天秤にかけた時に、「滑稽さ」のほうが適切な表現であると読み取れる。
1:「男」が虚勢を張っているわけではない。
2:前半部分が間違い。
3:「自信を持つことができた」が間違い。ただし、結構ややこしい選択肢で△として保有する人も多いだろう。
4:「哀れみを感じている」が間違い。

大問3 古文(難易度:ー)

古文に関してはわたし自身、中学生程度の知識しかないために、細かい言及は避けておく。
ただし、途中にあるグループ・ディスカッションの会話文を読むと多少答えのヒントが隠されているため、本文がどのような内容なのか全くわからなかったが、半分以上得点できた。

大問4 漢文(難易度:ー)

漢文も大した知識があるわけではないので細かい言及は避けておく。

ただ、全く参考にならないだろうが、内容に関しては理解するコツが一つだけあるため、少しだけわたしの使っているテクニックをお伝えしよう。頭が真っ白になり、追い込まれたときにでも思い出してくれたら、あるいは役に立つかもしれない。

漢文を読むときは、教訓じみたこと言ってる(っぽいぞ)と思いながら読んでいく。
そうするとだんだん、それらしい童話的内容が頭に浮かんでくるのだ。あとはそれに基づいて問題を解いていけば大体は当たる、というギャンブル的な対策である。ちなみにわたしは受験本番もこれで臨んで、40点くらいとったはずである。

今回に関しては、なんとなくでも「扇のもとに蝶々が出てきた→庭園に出てきたけど、捕まえられなかった→袖に止まったので絵に書いた」という流れさえつかめれば概ね解ける。

この下りで、わたしがどれだけ古文漢文が出来ないかが分かっていただけたと思う。決して参考にしないようにしていただきたい。

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