2022年 慶應義塾大学法学部英語 入試問題レビュー
前回の早稲田法学部英語に引き続き、法学部繋がりということで今回は慶應義塾大学法学部の英語を解いてみた。
わたしが学生だったとき、慶應義塾大学の文系学部では法学部が最も偏差値が高いと言われていたが、ざっと見た限り今でも高い方に分類されているようだ。
法学部は女子が多く、特に政治学科は華やかな印象があったので、元経済学部生としてはいつも羨ましく感じていたものである。
さて、そんな淡いキャンパス・ライフの記憶はあるものの、実は法学部の英語を解いたことがあるのは浪人時代の1回しかないように思う。そのときは発音・アクセント問題が独特だなーという思い出しかないのだが、10年ぶり以上に受ける今回は果たしてどんな内容なのか楽しみであった。
ということで早速問題をみていきたい。
なお、今回はこれまでの反省をしっかり踏まえ、ちゃんと問題文を印刷して試験に臨んだ。
得点が思うように伸びなくても言い訳なしだ。
大問1 単語組み合わせ問題
2つの単語を前後に組み合わせて、新しい単語を作ろう、というクイズのような問題。
法学部って、こんな問題が出るんだとのっけから思うこととなった。
経済学部とは出題傾向が全くと言っていいほど違うんだな、などと感心しながら3分ほどいろいろ弄っていたのだが、これが思いの外難しい。いきなり法学部の洗礼を受けたような気がする。
とりあえず埋められるところだけ埋め、時間が余ったら戻ってこようと大問2へ向かう。
なお、最終的に時間はほとんど余らなかった。
(1)✕(2)✕(3)◯(4)✕(5)✕(6)◯(7)◯(8)◯(9)✕(10)✕
大問2 単語の意味
初見ではほぼ意味がわからないレベルの英文を読み、その中にある「これまでの人生でお目にかかったことが全くないような単語」の意味を当てる問題。
選択肢は辞書の第一義が書いてあるような形なので、文章を何度も読みながら見当をつけたものを当てはめていくことになる。
これがまた面白く、最初は全く意味がわからなかった文章だったのに、それが徐々に理解できていく、というまたしてもクイズのような問題。
解きやすいところから埋めていくと内容が次第につかめていき、太刀打ちできないと思っていた問題にも手がつけられるようになる、という脳トレのような出題だった。法学部の問題は中々面白いと感じっぱなしだ。
最後の2問、2択を間違えるという致命的なミスを犯す。
内容は、親戚に嫌がらせをされ、実父の遺産のほとんどを手に入れることができなかった女性が密かに復讐を誓う、というようななかなかシリアスな内容。
(11)✕(12)◯(13)✕(14)◯(15)◯(16)◯(17)◯(18)✕(19)✕(20)✕
大問3 会話文
映画館デートに行った男女が、映画の内容について話し合うというなんとも微笑ましい問題。
映画における演出の仕方について、若干口論?のようなやり取りが展開される。
大問2もそうだったが、法学部だからかシリアスな内容が多い気がする。
教授の遊び心あふれる入試問題である。まあ入試で遊ばれても受験生からすると迷惑千万であるわけだが。
こちらも、わかり易いものから埋めていくと、空が晴れていくかのようにだんだんと内容がわかってくるという不思議な感覚に陥る。
受験テクニックというわけではないが、選択肢の中に明らかに男女どちらが発言したかわかるものがあるため、そういう手がかりから解いていき、選択肢を減らしていけば容易に解けるだろう。
ここは無事満点獲得。
(21)◯(22)◯(23)◯(24)◯(25)◯(26)◯(27)◯(28)◯(29)◯(30)◯
大問4 インタビュー内容の質疑応答埋め
河合塾によると、法学部は過去にもミュージシャンのインタビュー内容が入試で出題されたことがあるらしい。きっと教授の中に音楽好きがいるのだろう。
内容は難しく、いまいちどうやって解けば良いのかわからないまま時間ばかりが過ぎていった。王道として、わかりやすいものから選択肢を消していき、残ったものは勘を頼りながら取り組んでいくしかないような気がするほど、確信がもてないまま進めていった。
なんとか半分は正解する。
こちらも最後2問で2択をミスったため、法学部に縁がない気がしてきた。
(31)◯(32)✕(33)◯(34)◯(35)✕(36)◯(37)✕(38)✕
大問5 長文読解
ここでようやく、待ちに待った長文読解問題である。
法学部では長文の英文をあまり読ませないことを痛感。
内容は、マスメディアと広告主の関係性についてというようなもの。
読み物として面白く、語彙などもこれまでの大問1~4と比較して最も平易であった。
対策は総評に譲るが、時間に余裕があるうちにまずこの長文読解から解いていき、満点を狙っていくべきだと思った。
(39)◯(40)◯(41)✕(42)◯(43)✕(44)◯(45)✕(46)◯(47)◯(48)◯
総評:解ける問題で全問正解を狙い、残りの時間で難しい問題を消化していく
今回、久しぶりに法学部の英語を解いてわかったことは、難しい大問と簡単な大問が明確にわかれていた、ということである。
今回でいくと、大問1、2、4が難しく、大問3と5が簡単である。
どの大問も文章が短いため、パッと見でどれが難しいかの判断がつけやすいだろう。
そのため、まずは簡単な大問に時間を充て、2完を目指すのが戦略として正しかったと思う。
失点した私が言うのも何だが、大問5もおそらく満点を狙えるはずだ。
そこから大問2か4へ進み、それらが済んだ後に大問1に時間いっぱいまで取り組むべきだった。もちろん、事前に傾向や対策を全くしていないわたしはバカ正直に順番に解いていったが、受験生の皆様には全くおすすめしない。
経済学部と違い、法学部は全て選択問題らしい。
それはすなわち、最後は適当に何かしらを埋めておけば当たる可能性があるということだ。
しかも、どの大問でも簡単に解ける問題はあるわけなので、消去法で確実に違うものから怪しいラインまでを取り除いていけば、一層選択肢は絞られる。
そう考えていくと、受験生にとっては取り組みやすい形式だろう。
とにかく、平易な大問を試験開始数分で見極め、その大問で満点を狙う。
後は如何に難しい問題で得点を伸ばしていくか。
それができれば、7割以上は狙える問題だろう。
去年の法学部の合格最低点を調べたところ、英語・社会・小論文で300点満点中234点(約58.5%)であった。
今回のわたしの英語の得点が30問/48問で単純計算で62.5%となったので、英語だけみるとなんとか合格点以上である。
ただ、個人的には得意科目の英語なわけだからもう少し得点したいものである。
得意科目に据えているのであれば、最低7割は取れるレベルが必要であろうことを思うと、悔しいものである。
仕事で日々英語を使っているとはいえ、やはり受験とはひと味もふた味も違うものであると痛感した。