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2022/5/9 2022/07/11

2022年 同志社大学全学部日程(文系)英語 入試問題レビュー

2022年 同志社大学全学部日程(文系)英語 入試問題レビュー

最近、関西方面に滞在していたこともあったので、今回は同志社大学の全学部日程(文系)の英語にチャレンジした。

ここ最近、早慶の問題を解いていたことで、受験英語に関する衰えをひしひしと感じていたところであったため、今回の気分転換が起爆剤となって、今後の学習意欲の向上につながればと祈るばかりである。

同志社大学の入試は2つの方式がある。
一方は文系と理系の違いはあるものの、全学部を通して同一の問題を解く方式、もう一方は各学部単独の入試だ。理由はわからないが河合塾のサイトには全学部日程の入試問題しか掲載がなかったため、こちらを解いてみることにした。

大問1 長文読解

キーボードのタイピングよりも、実際に紙に書いたほうが脳の活用領域が広くなり、学習効果が高い、といった内容。

A4サイズで3ページ分ではあるが、割と大きめのフォントで書かれているため、このレベルの受験生にとっては大した長さではないだろう。難易度に関しても共通試験程度という印象で、難しい単語には注釈もふってあるため、難なく読めるのではないだろうか。

語彙力を問う問題から文法問題、内容把握とバランス良く出題されており、良問であると感じた。すべて選択式であり、結果としてここはワンミスに留めることができた。

(I-A)W ◯ X ◯ Y ◯ Z ◯
(I-B)a ◯ b ✕ c ◯ d ◯ e ◯ f ◯ g ◯ h ◯
(I-C)ア ◯ イ ◯
(I-D)あ ◯ う ◯ か ◯
(I-E)◯、◯、◯

大問2 長文読解

コーヒー豆の歴史について書かれた文章。
様々なトピックに話が振られるため大問1よりも内容は難しいように感じたが、それでも共通試験レベルの域を脱していない程度であった。
大問1とほぼ同じ出題形式であるが、こちらは最後に和訳問題がある。大事なこの記述問題を落とすという痛恨のミスを犯してしまった。油断大敵である。

後は前置詞に関する文法問題でいくつか失点。
文章は大問1よりも多少難しい程度であったが、問題自体はこちらのほうが幾分解きやすい印象である。テーマが馴染み深いからだろうか。

(II-A)W ◯ X ◯ Y ✕ Z ✕
(II-B)a ✕ b ✕ c ◯ d ◯ e ◯ f ◯ g ◯ h ◯ i ◯
(II-C)ア ◯ イ ◯ ウ ◯
(II-D)あ ◯ え ◯ お ◯
(II-E)◯、◯、◯
(II-F)✕「その他説では、コーヒー豆の広まりは、単にイエメンとアラビア半島間で存在した貿易の結果であるとみられている。」

大問3 会話文の穴埋め

男女二人の会話を読みながら、選択肢の中から適当なセリフを入れていく問題。
引っ掛けの類もなく、素直に解いていけば難なく満点が取れるレベルだろう。
指定された日本語文を英語にする記述問題も最後にあるが、こちらもそこまで難しくないので特に問題なく対応可能だと思われる。

(III-A)a ◯ b ◯ c ◯ d ◯ e ◯ f ◯ g ◯ h ◯
(III-B)「Even how tough the practice is, if you enjoy doing it, that means you have talent. 」

総評

冒頭にも書いた通り、最近は早慶の問題を解くことが多かった。
難易度としても中々に難しく、試験時間も目一杯使わないと解けない、というレベルの苦戦を強いられていた。

それに比べて今回の同志社大学の問題は、試験時間100分に対して66分で解き終わった。
残り時間で見直しをすれば失点したいくつかの選択問題と和訳問題は正解に繋げられたか手応えはあったため、そう考えると選択問題は49問中45問、記述式は途中点は入るレベルにもっていけた、ということを勘案すると、9割近くは取れたのではないだろうか、といったところだろうか。皆は必ず時間いっぱいまで見直しをして欲しいものである。

難易度に関して言うと、早慶とは比較にならないレベルで簡単だろう。
文章自体の難易度も共通試験レベルであったが、試験時間が100分であることを考えると、共通試験よりも簡単かもしれない。
ただし、問題が簡単だからといって合格できるとは限らないことはしっかりと意識するべきである。

調べたところ、どの学部においても合格最低点は3教科で大凡70%以上であった。これは55~65%が合格最低点である早慶よりも高い水準である。

したがって、早慶に比べて一点のミスが致命的となると言えるだろう。
共通試験を受ける人なら同じ感覚を味わったことがあるだろうが「どの科目でも安定して高得点を取らなければいけない」というプレッシャーは決して軽視していいものではない。特に入試科目数が少ない私立大学においては、各教科のウェイトが大きくなるため、英語の出来だけで合格云々と言うことはできないだろう。

最後に、長文読解の特徴に関しても触れておこう。
全体を通して特段の特徴がみられたわけではなかったが、強いて言えば大問1が理系、大問2が文系トピックといった感じだろうか。これまでいくつか試験問題のレビューをしてきたが、早慶も含め、どの大学も長文読解は文理両方のトピックがあるように思われる。したがって、只々英語の勉強を進めるのとは別に、幅広い話題に関心のアンテナを広げておくことが重要となるだろう。

良い点を取ったことでここぞとばかりにイキリちらしているが、実際に同志社の英語はかなり取り組みやすい部類に入る。問題構成も模範的であり、典型的な「大学入試の英語」を作るとしたら、恐らくこのような問題になるのではなかろうか。そう思ってしまうほど、標準的なものだった。こういった点を考えると、同志社大学の志望者でなくとも、ぜひとも演習してみるといいだろう。高得点が見込めるのであれば良い併願先になるかもしれない。

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