TOP コラム雑記 結局、地道な努力こそ最大の近道である
2022/12/17

結局、地道な努力こそ最大の近道である

結局、地道な努力こそ最大の近道である

インターネットにはびこる有象無象の広告、宣伝、ハウツー本の謳い文句を眺めていると、世の多くの人は「楽に成し遂げたい」こととして、大きく分けて以下の3つをいつも求めているように思う。

  • 勉強ができる
  • お金が稼げる
  • 痩せる(きれいになる、モテる)

この手の情報は玉石混交で世の中に腐るほど溢れかえっており、人間の欲深さと怠惰さが垣間見える。

確かに、「楽をしたい」という願望は技術革新を支える原動力である。

昨日よりも今日、今日よりも明日、もっと良い生活を送りたいという願いが、今の便利な世の中を形作り、そういった希望が将来を変えるパワーとなってきた。

しかし、この「楽をしたい」を実現してきた人たちは人一倍努力をしていた。

思いつきでiPhoneを開発することなど出来ず、スティーブ・ジョブズはエンジニアに罵倒まがいの叱責を行って厳しく開発を進めたことで、世界を変える商品を生み出した。わたしたちが当たり前に享受している「便利な生活」は、すべて先人の努力と工夫と時間と金の結晶なのだ。

この記事では、「楽に○○ができるようになる」という刹那主義的な考え方に対するアンチテーゼを示し、結局はコツコツと地道な努力をすることこそが、最短にして最良な自己実現方法であるということを論じていきたい。

 

努力が必要なものにこそ嘘や偽りが蔓延る

アメリカのプロ野球リーグであるメジャー・リーグで、投打二刀流で活躍している大谷翔平選手。彼のことは、野球にさほど興味のない人でも知っていることだろう。

193cm、100kg超と恵まれた体格の大谷選手が、学生時代から目標を掲げ続け、他のプロ野球選手が引くほどの驚異的な努力をした結果、世界でも類を見ない偉業を成し遂げている。

大谷翔平モデルのグローブとバットなども発売されており、売れ行きも良いようだが、それを使っていれば自分もメジャーリーグで活躍できるなどと考える人はまずいないだろう。

形だけ真似しても、彼のようにはなれないことはリトルリーグの子どもですらわかることだ。

しかし、こと「成績を上げる」「お金を儲ぐ」「痩せる、美しくなる」ということになると、多くの人は途端に「楽に成し遂げることができる」と考えてしまいがちだ。

とりあえず東大合格者が多かった予備校に通う、東大合格者がお勧めする教材を買う、東大合格者のノートの取り方をまねる。やっていることは大谷選手のグローブやバットを真似ることと同じであるのに、勉強に関してはこういった謳い文句に喜んでお金を払う人が多い。

 

  • だれでも一日で偏差値を上げられる。
  • 努力も資格も必要なしで、稼げる、儲かる。
  • サプリを飲めば一ヶ月で10キロ痩せた。
  • これを使えば歯が白くなる。

 etc…

 

甘い宣伝につられて、どうしようもないイカサマ商材に飛びつく人のなんと多いことだろう。

お金を稼ぐために逆にお金を払っているわけで、なんとも滑稽な展開である。

もし、こういった謳い文句が本当に有効なのであれば、世の中の受験生全員が東大生になれるだけの学力を得ることができるはずだ。しかし、実際は大学間で悲しいくらいに学力格差がある。

楽に儲かる方法がこれだけ提示されているのに、日本の平均年収は年々下がっている。スマホをいじるだけで月30万も稼げるのならば、スマホ代に悩むなんてことにはならないし、格安スマホなど存在しないだろう。

楽に痩せられる方法がこんなにもたくさん世の中にはあるのに、痩せられないと悩んでいる人は多い。周りを見渡せば低糖質の商品が多く、いまやビールのデザインにすらカロリーオフの文字が表示されている。

理由は簡単。

楽にできることなど、無いからだ。

 

楽をする方法はあるが、ルールから逸脱することになる

確かに、楽をして成果が得られることもある。
テストで言えばカンニングなどがそうだ。
親や友達の財布からお金を抜けば楽にひとまずお金持ちになれるだろう。
覚せい剤を使えば痩せられるかもしれない。

このように、何事かを楽に成し遂げるには、世の中のルールから脱した行為に手を染める必要がある。しかし、多くの人はそんなことをしてまで成し遂げたいとは思わないだろうし、そもそもそういった発想に至らないだけのモラルの持ち主であってほしい。

売り出す側は、楽にできないことを心底わかっているからこそ、「楽にできますよ」と嘘をついてあなたに近づいてくるのだ。

内容の伴わない参考書を売ってる業者も、胡散臭い情報商材屋も、痩せるサプリを売ってる会社も、あなたから金を巻き上げることこそが至上命題であり、あなたが受験に落ちようが、貧乏になろうが、リバウンドしようが責任をとることもないのだ。

努力が必要なものにこそ、甘い誘惑も多い。
特に、勉強はその最たる例だと言えよう。
世の中、楽に達成できることなどたかが知れていると自覚することが大切である。

 

勉強は、努力をすれば伸びる数少ない行為

努力をしても、必ず目標を達成できるとは限らない。
しかし、勉強は後天的に伸ばしていける数少ない行為である。

 

ここで再び、大谷翔平選手を例に挙げよう。

仮にオギャーと生まれてから今日に至るまで、大谷選手と全く同じ食事を摂り、同じように生活をして、同じ言葉を与えられて育ったとしても、メジャーで二刀流の活躍ができるような偉大な野球選手には、ほぼ確実になれないと言える。

 

彼と同じような努力を積んだのであれば、プロ野球選手にはなれるかもしれない。

しかし、人間には才能という得手不得手が間違いなく存在し、身体的な成長スピードや最終的な強度も異なる。努力ではどうしようもならない差は、残念ながら確固として存在する。

しかし、こと勉強に関しては再現性が高い活動である。

少し前に、三兄弟全員を東大理3に入れた母親の教育法が話題になったが、あれはまさに「教育法により勉強で近い結果が出せる」という最たる例だ。

東大理3ともなると遺伝の影響で脳の機能が優れている、といった差も大きいのかもしれないが、例えば中学高校の期間を一日10時間がっちり勉強して過ごしたのであれば、一般的な人であれば大部分の大学に受かるだけの学力を得るだろう。

もちろん、ノートをきれいに作ることに力を注いだりすることなく、苦手と向き合い、演習をこなし、単語や知識の暗記をしっかりした場合、という注釈がつく。量よりも質、という意見もあるかもしれないが、勉強時間とテストの点数は比例する。

そういう意味で、やればやるほど伸びるのが勉強の良さである。
逆に、最低限の量を確保できないのであれば絶対に伸びない。
つまりは、楽な道を進んでも絶対にできるようにならないということである。

テレビやYoutubeなどで、一日1時間勉強していただけで理3に受かりました、という人が取り上げられるが、そういう人は外国であれば16歳で大学を卒業するような天才児である。

あなたが4歳で微分方程式を解けるような人間でないならば、勉強方法を真似るべき相手ではないし、彼らがいうアドバイスも参考にしてはいけない。そういった人は一度読めばだいたいのことを覚えて理解するので、参考書の難易度から勉強時間まで一切参考にならないからだ。

結局は、覚悟を決めて勉強することこそ、最も楽でシンプルな目標達成のための最短方法なのだ。

 

編集後記 ショートケーキと納豆理論

唐突ではあるが、このサイトの伸びは悪い。
非常に悪いといっていい。
共同運用者といつも頭を悩ますほどには悪い。

同じようなサイトを見回してみると、まともなことを言っているサイトほど注目を浴びにくいことがわかる。一方で、「楽に受かる」「5日でマスターできる」などため息が出るほど残念な内容のサイトは人気が高い。

その理由は明白だ。
我々が提供しているのは、いわば納豆だからだ。
臭いし、ねばねばしているし、見た目はグロい。
大体の外国人なら食卓に出されたら顔を顰めて逃げ出すだろう。

栄養が高い、身体に良いだの言われても食べないで済むなら食べたくない人もいるだろう。

普段から食べてる人であっても、よだれが垂れるほど納豆が食べたい、なんて人はあまり多くはないのではないだろうか。食卓に出ているからなんとなく食べている、と言われたほうがうなずけるかもしれない。

一方で、楽に偏差値が上がる、不労所得が入りまくる、寝ているだけで痩せる、といった情報はまさにインスタ映えする綺麗なショートケーキだ。見た目がよく、分かりやすく美味しく、何より映える。

わざわざ食品に例えてまで何が言いたいかというと、甘い言葉には気をつけろということである。ケーキだけに。
ショートケーキを食べるのも、たまには良いだろう。
頑張った自分へのご褒美とか、なにかお祝い事があるときなどは、思う存分ショートケーキを楽しんでほしい。

しかし、毎日食べるもの、より長く健康でい続け、何よりショートケーキのような美味いものをいつまでも食べ続けられるようにしたければ、毎日の食卓で納豆をかきこむべきだ。

日々の成長は、普段摂取した食べ物から成る。
これに関しては、知識も全く同じである。

申し込む
通知
guest

CAPTCHA


0 Comments
インラインフィードバック
すべてのコメントを表示

最近のコメント

    新着記事