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2022/2/18 2022/07/11

総合型選抜の特徴やスケジュール

総合型選抜の特徴やスケジュール

本記事では以前に選抜方式の概要を紹介した記事よりも詳細に、総合型選抜の特徴等を載せる。
以前はAO入試とも呼ばれていたこの方式は、開始から今に至るまで導入する大学が増え続けて、いわゆる難関大学でも数多く実施されている。

志望校によって詳細は異なってくるが、大学ごとの要件や評価方法の一例などを提示し、まとめていく。受験戦略を練る際の参考になれば幸いである。

総合型選抜の特徴

総合型選抜の大きな特徴は、学校推薦型と違い「学校の推薦をもらわなくても出願できる」という点だ。

校内選考を突破する必要もなく、ともすれば評定平均が低くとも出願できるため、学校推薦型よりも条件は緩いと言える。しかし一方で、特定の資格や大会成績などが要求される場合もあるため、志望校によっては高いハードルとなる場合もある。

また、複数回の出願ができる関係上、他の選抜と比べて選考期間が長くなる。また、大学ごとに豊富な選抜方法があることも特徴だろう。

誰でも出願できるという性質上倍率は高めになることが多いため、別の選抜方法と比べて難易度が低いと安易に考えないほうがよい。

AO入試からの変更点

以前AO入試と呼ばれていた本形式は、総合型選抜と名称が変更するにあたり「なんらかの形で学力を問う」ことが必須となった。これは学校推薦型も同様である。

AO入試だったころは「成績が悪くても受かる」と揶揄されることがあった選抜方式であったが、現在では出願条件、合格基準としてきっちり学力が図られるようになった。

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1404473.htm
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1402201.htm

これにより、以前よりも遥かに評定平均を高く保つ必要性が増し、学校推薦型と比較しても決して低くない成績を残す重要性が高くなった。

様々な選考基準・評価方法

総合型選抜はその名に違わず様々な方法で評価されることになる。
各大学、学部ごとの特徴が大きく異なるため一般的な例というものを上げづらいため、ここに実際の要項の一例を載せていく。

様々な評価基準、選考方法をとっていることが伺い知れるだろう。

慶應義塾大学

学部入学案内 - AO入試

総合政策学部・環境情報学部(AO募集)

一次:書類審査、二次:面接試験
※コンテスト等の成績により一次選考免除
https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/docs/sfc_2022spring_guide.pdf

理工学部(AO募集)

一次:書類審査、二次:面接選考:数学・物理・化学の口頭試問および総合面接
※優れた実績の一例
https://www.keio.ac.jp/ja/assets/download/admissions/examinations/ao-st/ao_riko_2022.pdf

 

早稲田大学

AO方式等による入試

国際教養学部(AO入試 国内選考)

書類審査、及び筆記審査「Critical Writing」

スポーツ科学部(トップアスリート(AO方式)入試)

事前セミナーへの参加
※参加資格あり

上智大学

推薦入学試験(公募)

全学部

各学科の指定する要件
外国語検定試験の基準が高く設定されている
https://www.sophia.ac.jp/jpn/admissions/gakubu_ad/itd24t00000046vf-att/2022koubo_shutsuganyouken.pdf

 

明治大学

AO入試

理工学部

理工学部アドミッションズ・オフィス(AO)入学試験要項
出願資格2にて、各学科ごとに条件を掲示
※機械情報工学科 の出願資格
https://www.meiji.ac.jp/exam/reference/6t5h7p00000burkr-att/to5_youkou_22.pdf

文学部

文学部自己推薦特別入学試験要項
※自己アピールの具体例
https://www.meiji.ac.jp/exam/reference/6t5h7p00000burkr-att/tp4_youkou_22.pdf

農学部

自己推薦特別入学試験要項
※学科ごとの評定平均値を掲示
https://www.meiji.ac.jp/exam/reference/6t5h7p00000burkr-att/tp6_youkou_22.pdf

 

法政大学

総合型選抜・その他

入学試験要項
http://exam.52school.com/guide/hosei-tokubetsu/guidebook/

文学部 日本文学科

自己推薦入学試験要項
http://exam.52school.com/guide/files/6116/2640/0760/hosei_tokubetsu_nichibun-jiko_yoko_2022.pdf

国際文化学部 分野優秀者

国際文化学部分野優秀者入学試験要項
※言語文化、表象文化、地域研究、情報処理、プログラミングなどの 各分野で優れた成果を有する者を積極的に受け入れる制度
http://exam.52school.com/guide/files/4316/2676/2197/hosei_tokubetsu_kokubun-bunya_yoko_2022.pdf

 

大まかなスケジュール

総合型選抜は、大学ごと、学科ごとで大きく異なってくるため、大まかなスケジュールを示しづらい。大学によって年に複数回の選考を設けている場合も多いため、志望校を設定したら、その大学の要項を必ずよく確認し、それに沿ってスケジュールを立てていこう。

例:慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部

強いてあげるとすれば、多くの大学において下記のようなスケジュール感で実施されることが多い。

出願:9月
選考:10月~11月
合格発表:11月~12月

総合型特化の塾も存在する

もし、より詳しく知りたい、学校推薦や総合型での入学を目指したいのであれば、専門としている塾も存在する。残念ながら良し悪しまでは知り得ないが、話を聞きに行ってみるのもいいだろう。

https://koskos.jp/
https://aogijuku.com/
https://aoaoi.jp/

早稲田アカデミーのようなそれなりに名のしれた塾でも推薦向けの説明会等を行っている場合もあるので、合わせて調べてみることをおすすめしたい。

評定平均を高く保っている成績優秀な学生であるならば、一考の余地があるはずだ。

編集後記

漠然と「大半の学生は一般選抜で大学を目指すもの」などと考えていたが、どうやら古い発想だったらしい。

調べによると、様々な媒体で「2020年度には半数近くの大学生が推薦、あるいはAOで大学に進学している」というデータが出てきた。

大学側の理由としては「多様性のある学生を迎えるため」というのを良く目にした。ただ本音としてはきっと、少子化の影響で学生の人数を確保しづらくなってきているために、早々に学生を確保したいという思惑が強いだろう。
これが、受験の失敗や浪人をしたくない学生の感情と一致して、数が伸びてきているのだと思う。

調べれば調べるほど、総合型の選抜も相当に努力しなければならず、専用の塾まで数多くあることにも驚いた。

正直ここまでくるとどちらが良いか、どちらが困難か、ということもないのだと思う。ただ個人的には、一般選抜のひりつくような緊張感を体験しないでいるのは、少しだけもったいないと思ってしまった。

人生の進路がかかった試験を受けることなど、この先あまり数多く直面することもない。

それに、一つのことに打ち込んだ末の成功体験という意味でも、わかりやすく達成感と結果が付いてくるものは簡単に出会えるものでもないだろう。

きっと今の若い人からすると老害意見に思えるのだろうが、曲がりなりにも大学を卒業してしばらく経っている筆者の場合でも、大学入試以降人生を左右するレベルの試験は受けていない(多分超エリートなんかはそういった機会がバンバンあるのだろうとも思うが、そこまでたどり着いた人も少なかろうと思う)。

推薦やAOを使うと専願になる、という縛りがもう少し緩くなり、併用が気軽にできると良いなと思う。
そうすることで、一般選抜でよりハイレベルな大学へのチャレンジがしやすくなり、学生側にはありがたいのではないかと思うのだ。

どんどん人に来て欲しい私立には迷惑な話かもしれないが、学生がより自分の実力にあった学校に入りやすいようになって欲しいと、この記事を書いていて考えていた。

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